普段の生活では、あまり意識に上らないものですが、ジュネーブは近郊に葡萄畑が広がり、毎年多くのワインが生産されているという、ワインを愛する我々にとっては、大変恵まれた環境に囲まれています。 とかく完成品のみが云々されがちなワインですが、葡萄の生育から収穫、醸造、熟成といった段階を経て、ワインが出来上がっていく過程を身近に眺めてみよう、というのがこの企画の原点です。 ジュネーブ近郊のワイン醸造家に協力してもらい、今年1年間を通して葡萄の生育の様子をつぶさに観察しながら、自分達の手で葡萄を摘み取り、醸造工程に立会い、ワインに 仕上げるまでをフォローしていきます。そして、観察してきた内容は、このサイトを通して、JCG会員の皆様にお伝えしていく予定です。
 さあ、あなたも、我々ワインクラブと一緒に、葡萄の、そしてワインの勉強を始めようではありませんか!(2009年3月)
更新日:2010年2月8日
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11月21日(土) ~22日(日) 2年ぶりのアルバ・トリュフ・ツアー
 多彩な行事で忙しかった本年1年の努力に報いるため(?!)、11月21日から1泊2日の日程でトリュフ・ツアーと称したワインクラブ親睦会が開催されました。30名が参加した今回のツアーは、ワイナリー(2ヶ所)、グラッパ蒸留所(1ヶ所)、そして豪華トリュフ・ディナーの4本立てとなりました。

ワイナリーの観察 北イタリア・アルバのホテルで現地の日本人コーディネーターと合流し、貸切バスで最初に向かったのはソルド・ジオバンニ さんのワイナリー!68ヘクタールのぶどう畑を所有するソルドさんは、伝統を守りながら大規模な機械化で効率的なワイン造りを実践しています。機械化により、ぶどうの収穫期を除き普段はたった3名でワイナリーを管理しています。
 ピエモンテ州では、霧を意味するネッビオーロ(Nebbiolo)という品種のぶどうが栽培されていますが、これは、昔、霧の出る頃(11月)に収穫されたことが名前の由来となっています。しかし、近年は収穫が霧が出る前の10月に行われており、気候変動のせいなのかなぁと、ソルドさんはおっしゃっていました。収穫されたぶどうは液循環方式で発酵が行われた後、熟成用の大樽へと移されます。ネッビオーロ種から造るワインはタンニンを多く含むため熟成には長い時間がかかるのとのことでした。さて、ワイナリー見学の後は、お待ちかねの試飲タイム、次々に出されるワインに、一同早くもほろ酔い気分。

さあ、次の訪問場所へ!時代を感じさせるグラッパ蒸留装置 次に向かったのは、1885年創立というピエモンテ州で最も古いマリオ・モンタナロ ・グラッパ蒸留所!中に入ると、時代を感じさせる蒸留装置が目に飛び込んできました。グラッパは果汁を搾った後のぶどうのカスで作るため、10月~3月までが仕込みの時期です。ぶどうの搾りカス300kgが一台の蒸留装置に入れられ、下から蒸気を送り込み、ゆっくりと香りと味を引き出していきます。1時間後、エキス分を含んだ蒸気は次の工程へと送り出されます。そこで、飲めるエチルアルコール、飲めないメチルアルコール、水へと分離され、飲めるものがグラッパとなって貯蔵用タンクへ送られていきます。なお、飲むと害のあるメチルアルコールは化学工場へ送られて安全に処理されるそうです。グラッパの熟成には2通りの方法があり、樽で熟成すれば琥珀色のグラッパ、ステンレス槽で熟成すると透明のグラッパとなります。ちなみに、蒸留された直後のグラッパはアルコール度が85度もあり、これを水で割って40~50度にして出荷しているそうです。現在販売されている一番古いものは1962年産!誰もが納得する美味しさでした。そうそう、試飲させていただく時は、色の薄いものから濃いものへと飲んでいくのがルール。お間違いのないように...。

並んだ琥珀色のワイン熟成に使用される樽が並びます。 そして、最後に訪れたのがグリマルディ・ルイジノさんのワイナリー。ここは家族経営のこじんまりしたワイナリーで年間約25万本のワインを生産しています。ワイナリーを見学しながら、バルベーラ(Barbera)は8プラス1~2日間、バローロ(Barolo)は20日間で発酵させ、その後、バルベーラは1年、バローロは3年かけて熟成させるというように厳格に決まっている発酵期間の説明を受けました。
 この期間を遵守することではじめて「DOCG」ワインを名乗ることができ、品質と伝統を維持していることが分かりました。今回の訪問では、熟成に使用されている木製(ナラ、カシの木)の大小の樽を見ることができました。小さい樽で熟成させたものは早く飲み頃となることや、ワインにバニラの香りをつけることができる、など樽による熟成の違いも教えていただきました。そして、もちろん試飲へ。バローロに加えてここで人気があったのは、ぶどうジュースのような風味を残したモスカト(Moscato)という甘口白ワイン。のど越しが良いので、飲みすぎにはくれぐれもご注意を!

豪華なトリュフ料理に満足顔白トリュフのせタルタル・ステーキ さて、一度ホテルに戻り、今回のメインイベント、トリュフを食べに!アルバ郊外のタナロ川の向こう岸の町カナーレの 「All’Enoteca」というレストランへ出発!若きシェフ、ダビッド・パルダの手による、前菜4品、パスタ2品、メイン、デザート2品というフルコースを堪能しました。もちろん、白トリュフのたっぷりかかったタルタルステーキや卵パスタは、絶品でしたが、それ以外の生ポルチーニ茸や牛肉の煮込みなども素晴らしく、4時間があっと言う間に過ぎ去ってしまいました。

 翌日は、アルバの街を散策しながら、生パスタやトリュフオイルなど楽しいお買い物をし、一同帰途につきました。夢のようなひと時でした!