普段の生活では、あまり意識に上らないものですが、ジュネーブは近郊に葡萄畑が広がり、毎年多くのワインが生産されているという、ワインを愛する我々にとっては、大変恵まれた環境に囲まれています。 とかく完成品のみが云々されがちなワインですが、葡萄の生育から収穫、醸造、熟成といった段階を経て、ワインが出来上がっていく過程を身近に眺めてみよう、というのがこの企画の原点です。 ジュネーブ近郊のワイン醸造家に協力してもらい、今年1年間を通して葡萄の生育の様子をつぶさに観察しながら、自分達の手で葡萄を摘み取り、醸造工程に立会い、ワインに 仕上げるまでをフォローしていきます。そして、観察してきた内容は、このサイトを通して、JCG会員の皆様にお伝えしていく予定です。
 さあ、あなたも、我々ワインクラブと一緒に、葡萄の、そしてワインの勉強を始めようではありませんか!(2009年3月)
更新日:2010年2月8日
3月 4月 6月 9月 特別編・9月 10月 特別編・11月 2010年1月
9月5日(土) 快晴
上から、シャスラ、ガメイ、ゲベルツトラミネぶどうが実ってきた畑 平日は雷雨続きのジュネーブでしたが、土曜朝には快晴となり約3ヵ月ぶりの観察会開催となりました。 ぶどう畑には、色とりどりのぶどうがふさふさとなっており、手が自然と枝に伸び、触れてみたい衝動にかられます。翌週火曜日からは発泡酒用のシャルドネの収穫が始まるそうです。

 今回のテーマは「ぶどうの糖度と機械について」です。収穫前のこの時期、ぶどう生産者の関心事項は自らが精魂こめて育てたぶどうちゃんがどれほど甘く育ったかについて。ぶどうはその年の日照量、雨量により育つペースが違いますので、ロシェさんをはじめとした作り手の皆さまは、ぶどうを観察し、過去データと比較しながら、その熟成度を見極めます。そして収穫後は各種機械を利用した作業を行います。

 ぶどうの熟成度を知る作り手が、その年のぶどうの熟成度を知るにあたり参考にするものは自身の地域の自治体(ジュネーブの場合、ジュネーブ州)が発表する、ぶどうの生育状態、ぶどう果汁の糖度、総酸度、Ph、フェノール化合物等に関する統計です。過去データと比較することで、今年のぶどうの作柄や収穫のタイミング、さらにはワインとなった時の特徴を推察することが出来るそうです。ジュネーブ地域では毎週月曜日にデータ測定が行われ、水曜日にデータがウェブサイトに発表されます。
 ぶどう汁は以下成分で構成されますが、今回はこのうち「糖類(糖度)」について教えて頂きました。  では、ぶどうの糖度はどのように測るのでしょうか? 糖度の計測単位は地域・国により異なるそうですが、主要な計測単位は以下の通りです。 屈折糖度計の先端に果汁を垂らし、覗くと...いざ、ぶどう畑へ! 糖度は期間中に天気が良いと上昇し、雨が多いと重量が増そうです。それではお待ちかねのぶどう畑へ! どこまでも続く美しいぶどう畑に囲まれて、しばし幸せ気分です。

 さて、前述の通り、糖度の測定には通常屈折率を利用した「ブリックス値」が使われています。ちなみにブリックスというのは19世紀のドイツの発明家の名前。「屈折率」は試料の汁の中の糖含有量によって変わります(糖の含有量が多いほど、屈折率が大きくなる)。この濃度と屈折率が比例する点に着目してつくられたのが糖度計です。実際には光の屈折率を決めるのは密度ですが、果汁を対象とした場合、密度を決定する要素のほとんどが浮遊糖の含有量によるものであることが根拠となっています。
試料液が薄い→プリズムの屈折率と差が大きくなる
試料液が濃い→プリズムの屈折率と差が小さくなる
 では早速、屈折糖度計(Réfractomètre)を使ってみましょう! 使い方は簡単。糖度計の先端レンズ部分に葡萄果汁を垂らして、 覗き込むと... 、筒内部に糖度が水銀計のように表示されます!

  次に収穫後に使用する機械の見学をさせて頂きました。 ・・・・・おわりに
 3月から観察をはじめてから早6ヵ月。当初は枝だけだったぶどうの木にやがて葉がつき、花が開き、そして、ぶどうがなる過程を観察する機会に恵まれたこと、また、ロシェさんのような暖かく素晴らしい作り手の方に色々とお話を伺えたことは、本当に貴重で感動的な体験でした。
 次回は、いよいよ収穫祭!この半年間、愛情をもって見守ってきたぶどうちゃん達の晴れ舞台がとっても楽しみです。